毅と私は年末年始の休みの間、ずっと一緒にいた。一緒にいて、どこへも行かず、行ったとしても買い物や、寒くてなかなか乾かない冬物の衣類をコインランドリーへ持っていくとか、そのくらい。ずっと毅の部屋でごろごろしていた。ストーブで居心地良い室温が保たれているのをいいことに、真夏のような薄着で、脚を絡ませると毅の脚の毛がこすれるのが気持ちよかった。おかげで、ストーブが換気を知らせるメロディ音まで覚えてしまうくらいだった。一度、毅が私の首筋や乳房に乱暴にむしゃぶりつきはじめた時にそのメロディがなって、思わず舌打ちした彼に、快感に歪めていた表情の延長で私はくしゃりと笑った。延長のボタンを小突くように押すものだから、安全装置が働いてストーブがとまって、今度ははっきりと笑った。でもそのすぐ後、ストーブのスイッチを入れなおした毅は憂さ晴らしをするかのように私を愛した。そうやって、休みに入ってから何度もセックスをした。途中でコンドームがなくなったから買いに行った。そのくらいした。セックスをする度にシャワーを浴びるから普段よりも体は清潔で、いつもお互いから同じボディソープの香りがしていた。でも私は、その同じ石鹸の香りの中から毅の匂いを見つけることができる。毅も、私を胸に抱いて、髪ら香るシャンプーの香りの中に、私を見つけてくれていたんだろうか。

20160111 7階