僕は泣きながら謝る彼女をひたすら殴っていた。恐怖から反射的に殴られまいと身体を縮こまらせて頭を両腕で抱え込むように床にしゃがんで。そんなか弱い彼女を僕も本気で殴ることはできなくて、それは彼女に恐怖を与えられる最小限の行為のみで、彼女の怯える姿さえ伺えれば気分がすっと楽になる気がした。そして彼女は反省して、また僕についてきて優しく笑いかけてくれると。こんな仕打ちをうけるようなことを彼女は何一つしていないのに。ただマスターと一緒に歩いて笑っていただけなのに。僕がそれを見て勝手に落ち込んだだけなのに。彼女は本来のパダワンである僕が嫉妬したと思って、謝っている。確かに嫉妬している。
「僕なんかより賢くて大人なマスターの方が君は、」
ふと殴る手を止めて彼女を見ると、頭を抱えている腕の隙間からこちらを覗いて。見上げてくるその弱々しい何も反発できない表情が、なんとも僕を焦らす。彼女は震える声で僕の名前を呼ぶ。
「オビ」
ジェダイとしてその先のことが言えないのはわかった。彼女が腕を恐る恐る僕の熱く痛む指先へと伸ばして、そっと掴む。彼女と素直な気持ちで触れ合うのは、彼女ことを好きだと自覚して以来だと思った。指先から伝わる彼女の温度に、空回りしていた感情が溢れだしそうで怖かった。
ずっと君が嫌いだった
彼女が眠る椅子